2026年度の地域別最低賃金について、全国47都道府県の改定額が出そろいました。
今回示された改定額をもとに算出した全国加重平均は1,177円。前年度の1,121円から56円の引上げとなります。引上げ幅は前年度の66円を下回ったものの、最低賃金の目安制度が始まった1978年度以降では、2番目に大きな引上げ幅となりました。
最低賃金の改定に伴い、企業では時給制の従業員はもちろん、月給制の従業員についても最低賃金を下回っていないか確認しておくことが大切です。
この記事では、2026年度の最低賃金改定の内容と、企業が確認しておきたい実務上のポイントについてご紹介します。
今年度は、47都道府県すべてで54円〜65円の範囲で引き上げられる見込みです。発効日は都道府県ごとに異なり、各都道府県労働局が順次決定・公示している段階です。
以下に、福岡県と山口県の改定内容を抜粋してご紹介します。
| 都道府県 | 改定後の最低賃金(時給) | 引上額 | 発効日 |
| 福岡県 | 1,114円 | +57円 | 2026年10月4日 |
| 山口県 | 1,101円 | +58円 | 2026年10月8日 |
最低賃金制度とは
最低賃金制度は、最低賃金法に基づき、従業員に支払う賃金の最低限度額を国が定める制度です。
企業は、定められた最低賃金額以上の賃金を従業員に支払う必要があります。このルールは雇用形態にかかわらず適用されるため、正社員だけでなく、パートやアルバイトなども対象となります。また、企業と従業員の双方が合意していたとしても、最低賃金を下回る金額で賃金を定めることはできません。最低賃金を下回る部分については法律上無効となり、最低賃金額と同額の賃金を支払うことになります。
最低賃金以上の賃金を支払わなかった場合には、50万円以下の罰金が科される場合もあるため、企業としては十分な注意が必要です。
最低賃金の計算に含まれる賃金
最低賃金を上回っているかどうかを確認する際は、原則として毎月支払われる基本給や各種手当をもとに計算します。
ただし、支給されている賃金のすべてを最低賃金の計算に含められるわけではありません。次の賃金については、最低賃金の計算から除外します。
最低賃金の計算から除外される賃金
- 慶弔手当など、臨時に支払われる賃金
- 賞与など、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金
- 所定労働時間を超えて働いた時間に対して支払われる賃金
- 所定労働日以外の日に働いたことに対して支払われる賃金
- 午後10時から午前5時までの労働に対して支払われる割増賃金
- 精皆勤手当
- 通勤手当
- 家族手当
なお、最低賃金の計算に含まれるかどうかは、手当の名称だけで判断するのではなく、実際の支給内容に基づいて判断します。
最低賃金を満たしているか確認する際は、対象外となる賃金を除いたうえで1時間あたりの賃金額を算出し、その金額が適用される最低賃金額以上となっているかを確認します。
特に月給制の場合は、月給の総額だけを見て判断することはできないため注意が必要です。
最低賃金の改定にあわせて賃金の確認を
最低賃金は毎年見直されており、改定のたびに企業側でも従業員の賃金が新しい最低賃金額を下回っていないか確認する必要があります。
「時給制ではないから大丈夫」と思っていても、月給を時間額に換算してみると、最低賃金に近い水準になっているケースもあります。また、各種手当を含めて給与を設定している場合は、その手当が最低賃金の計算対象になるかどうかも確認しておきたいところです。
おわりに
今回の最低賃金改定を機に、現在の給与設定について一度確認してみてはいかがでしょうか。最低賃金の計算方法や、どの手当を計算に含めればよいかなど、判断に迷うことがありましたら、当事務所がお悩み解決のお手伝いをしていますので、お気軽にご相談ください。
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