従業員が退職するときに会社が確認しておきたいこと|トラブルを防ぐためのポイント

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こんにちは!ふじもと社会保険労務士事務所です。
従業員を雇っていると、新しい方を迎えることもあれば、退職を見送ることもあります。円満に退職日を迎え、必要な手続きまでスムーズに終わるのが理想ですが、退職時は会社と従業員との間で認識の違いが生じやすい場面でもあります。

  • 急に退職したいと言われた
  • 残っている有給休暇をすべて取得したいと言われた
  • 引継ぎが終わっていないのに、もう出勤できないと言われた

このような状況になってから、どう対応すればよいのか悩む会社も少なくありません。
退職時の対応をその都度判断していると、担当者によって対応が変わったり、会社と従業員との認識の違いからトラブルにつながったりすることがあります。退職の申出を受けてから慌てることがないよう、会社として確認しておきたいことを整理しておくことが大切です。
今回は、従業員が退職するときに会社が確認しておきたいポイントをご紹介します。


「退職したい」と言われたら、まず何を確認する?

従業員から退職の申出があったときは、まず退職の意思と希望する退職日を確認します。退職の申出は、必ずしも書面でなければ認められないわけではありません。口頭であっても退職の意思表示は可能ですが、口頭だけでは、

「言った、言わない」
「退職するとは言ったが、その日付ではない」

といったトラブルにつながることがあります。退職の意思や退職日を明確にするためにも、退職届などの書面を提出してもらう運用にしておくとよいでしょう。
あわせて、就業規則や雇用契約書に定められている退職手続きについても確認します。
退職の申出を受けた段階で、退職日、有給休暇の残日数、引継ぎが必要な業務、会社からの貸与品などを整理しておくと、その後の対応を進めやすくなります。

会社が一方的に退職日を決めることはできません

従業員から退職の申出があったものの、

「後任が決まるまで辞めてもらっては困る」
「引継ぎが終わるまで退職は認められない」

と考える会社もあるかもしれません。

しかし、会社が一方的に退職を認めず、従業員を働かせ続けることはできません。期間の定めのない雇用契約については、民法上、労働者から解約の申入れをした場合、原則として2週間を経過することで雇用契約が終了すると定められています。
一方、就業規則に「退職する場合は1か月前までに申し出ること」などの定めを設けている会社もあります。
実務上は、就業規則の内容を確認したうえで、業務の引継ぎや有給休暇の取得予定などについて従業員と話し合い、退職日を調整することが大切です。
なお、契約社員など期間の定めがある雇用契約では、契約期間の途中で退職できる場合について異なるルールがあるため、個別の確認が必要です。

退職前の有給休暇、会社は拒否できる?

退職時に多いご相談の一つが、有給休暇の取得についてです。
従業員から、「残っている有給休暇をすべて取得してから退職したい」と言われることがあります。
有給休暇は、原則として従業員が請求した時季に与えなければなりません。会社には、請求された時季に有給休暇を与えることで事業の正常な運営を妨げる場合、他の時季に変更できる「時季変更権」が認められています。
しかし、退職日が決まっており、それまでに有給休暇を取得できる別の日がない場合には、退職日を越えて取得日を変更することはできません。

そのため、

「引継ぎが終わっていないから」
「忙しい時期だから休まれると困る」

といった理由だけで、退職前の有給休暇の取得を一方的に拒否することはできません。
退職直前になって会社と従業員の双方が困ることがないよう、日頃から有給休暇の取得状況を把握し、計画的に取得しやすい職場づくりを進めておくことが大切です。

引継ぎが終わっていない場合はどうする?

退職する従業員が担当している業務については、会社として退職日までに引継ぎを終えてもらいたいところです。就業規則などに引継ぎに関するルールを定め、退職する従業員に対して必要な業務の引継ぎを求めることはできます。

ただし、

「引継ぎが終わるまで退職を認めない」
「引継ぎをしなかったので給与を支払わない」

といった対応は適切ではありません。
退職の申出を受けたら、できるだけ早い段階で、

  • 引継ぎが必要な業務は何か
  • 誰に引き継ぐのか
  • いつまでに完了させるのか
  • 資料やデータをどこに保存するのか

などを具体的に確認しましょう。
業務の属人化が進んでいると、退職時に引継ぎが間に合わないこともあります。
日頃から業務内容や手順を共有し、特定の従業員しか分からない業務を減らしておくことも、退職時のトラブル防止につながります。

会社の貸与品やデータの取扱いも忘れずに

退職時には、会社から貸与している物の返却についても確認が必要です。
たとえば、

  • 資格確認書(交付されている場合)
  • 社員証や入館証
  • 会社のパソコンや携帯電話
  • 制服や鍵
  • 会社名義のクレジットカード
  • 業務に関する書類やデータ

などがあります。
何を貸与しているのか会社が把握できていなければ、退職時に回収漏れが発生することがあります。入社時に貸与品の一覧を作成し、退職時に確認できるようにしておくとよいでしょう。
また、会社の情報を個人のパソコンやスマートフォン、外部のクラウドサービスなどに保存している場合には、データの返却や削除についても確認が必要です。
顧客情報や営業上の情報など、退職後も秘密にしてほしい情報がある場合には、就業規則の秘密保持規定や誓約書の内容も確認しておきましょう。

退職後には社会保険や雇用保険などの手続きがあります

従業員が退職したあとは、会社が行わなければならない手続きがあります。
主なものとして、

  • 健康保険・厚生年金保険の資格喪失届
  • 雇用保険の資格喪失届
  • 必要に応じた離職証明書の提出や離職票の交付
  • 源泉徴収票の交付
  • 退職者から請求があった場合の退職証明書の交付

などがあります。
それぞれの手続きには、提出期限や交付期限が定められています。また、退職者の状況によって必要な手続きや書類は異なります。特に離職票は、退職後に基本手当の受給手続きを予定している方にとって重要な書類です。会社側の手続きが遅れると、退職した従業員のその後の手続きに影響することもあります。退職日が決まった段階で、必要な手続きや書類を確認しておきましょう。

退職時のトラブルは、在職中の労務管理とも関係しています

退職時のトラブルは、退職することが決まってから突然発生するとは限りません。

  • 雇用契約書の内容が曖昧だった
  • 有給休暇を適切に管理していなかった
  • 労働時間や残業代について、会社と従業員の認識が違っていた
  • 就業規則はあるものの、従業員に周知されていなかった

このような日頃の労務管理上の問題が、退職をきっかけに表面化することがあります。
また、退職する従業員から未払い残業代やハラスメントなど、これまで会社が把握していなかった問題を指摘されることもあります。
そのような場合には、退職手続きを進めるだけでなく、事実関係を確認し、適切に対応することが必要です。
退職時に慌てて対応するのではなく、日頃から会社のルールを整え、適切な労務管理を行っておくことがトラブル防止につながります。

退職の申出を受けたら、早めの確認が大切です

従業員から退職の申出を受けると、

「まず何を確認すればいいのだろう」
「この対応で問題ないのだろうか」

と悩むこともあると思います。
退職の理由や雇用契約の内容、残っている有給休暇の日数、引継ぎの状況などによって、会社が確認すべきことや対応方法は異なります。特に、退職日について会社と従業員の意見が合わない場合や、有給休暇の取得、未払い残業代などの問題がある場合には、早めの対応が大切です。

おわりに

当事務所では、社会保険・雇用保険の退職手続きだけでなく、退職時の労務管理や従業員対応に関するご相談にも対応しています。

  • 従業員から突然、退職したいと言われた
  • 退職手続きを進めたいけれど、何を確認すればよいか分からない

そのような段階でのご相談も歓迎しています。
退職時の対応について気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

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